在宅医療で看護師やリハビリスタッフが学べることとは?

在宅医療で看護師やリハビリスタッフが学べることとは?

学べることの前提として、まずは病院と在宅の環境の違いから
先にお伝えさせて頂きます。
病院と在宅では、治療や患者様への考え方や関わり方が大きく異なっています。

■病院と在宅での違い

病院では、治すための治療、病気に焦点をあてた治療やケアが必要になってきます。
そのため患者さんの生活リズムや趣向よりも、
まず病院のルールやリズムに合わせてもらい、病院の治療方針に則った
治療やケアを行っていきます。

一方在宅では、その人らしい生活の中でどうやって病気や障がいに向き合い、
付き合っていくかが重要になってきます。
病気ではなくその人の生き方にフォーカスをあてながらケアを行っていきます。
また病院と違い私たちが伺わせて頂く場所は患者様のご自宅になります。
患者様に納得して頂いたうえで訪問させて頂いているため、
患者様との関係性が悪くなってしまうと、いかに自分の技術が優れていても
訪問させて頂けなくなるという難しさがあります。

■在宅で学べること

上記を踏まえて、在宅医療で学べることとしては大きく2点です。

①1点目は幅広い医学的知識や技術力です。
幅広い疾患や病棟では想定されない状況下でのケアを在宅では求められます。
病院という整えられて物資がある環境ではなく、
患者様のご自宅の中にある物や環境を活用しながらケアを行わなくてはいけません。

また、病院の時と違い、対応する疾患は多種多様です。
今まで聞いたことがない、担当したことがない疾患の方を担当していく事になります。
私自身、在宅に来て初めて多系統萎縮症、ガン末期の方のお看取り、など
在宅で初めて担当させて頂き多くを学ばせて頂きました。
それにより今まで以上の幅広い知識や経験を身に付ける事が出来ました。

②2点目は人間関係力です。
病棟でも上司との付き合い、患者様、医師や関係者との連携などで、
人間関係力は磨かれると思います。
しかし、在宅は病院と違い関係機関とそもそも施設、建物が違うため、
こちらからアクションを取りに行くか先方から連絡を取ってもらわないと
基本連携することが出来ません。

また、病室と違い患者様がいらっしゃるのは自宅であり、
私達医療者からすると患者様の聖地になります。
そのため上記でもお伝えさせて頂きましたが、
患者様との関係性が上手くいかない事で出入りができなくなる、
ケアに関わらせてもらえなくなる、という事もあります。
そのため、以下に医療知識や技術を持っていても患者様はじめ、
関係者とのやり取り、関わり方が上手くできないと通用しないという事です。
相手に寄り添い相手の気持ちを理解しながら誠意をもって対応していく、
関わっていく流れで人として、社会人として、
専門職者として力が磨かれて人間力が高まっていくのです。

在宅は難しいこともありますが、病院では経験できない、
またより患者様によりそった個別の関りやケアができます。
もっと寄り添ったケアをしたい、自分ならではの看護やリハビリを
もっと広げていきたいという方には凄くおススメの分野です!